ポルシェはブレーキの性能がすごく高いと言われている。
「ブレーキがすごいってどういうこと?」「ブレーキの性能ってそんなに重要なの?」と疑問に思っていた私だったが、最近「本当にすごいかもしれない・・・」と気づき始めた。
ポルシェのブレーキがすごいと感じた理由は3つ。
- 厳しすぎるブレーキ性能テスト
- 第三者調査機関のブレーキ試験でもポルシェがトップ
- 進む力の4倍もの制動力
本記事では、ポルシェのブレーキ制動力の高さとその背景にある理念について、ど素人の私の目線で語っていく。
Contents
ポルシェブレーキのすごさ
① 厳しすぎるブレーキ性能テスト
ポルシェではブレーキ性能のテストにものすごい時間と労力をかけている。
試験の一つにこんなものがあるらしい。
- 時速230キロまで加速したクルマに、急ブレーキをかけて急停止させる。こわそう・・・
- この作業を15回繰り返す。15回も!しかしこれはまだ序の口。
- 15回ブレーキングをしたとき、ブレーキディスクの温度は750℃に達する。ひえええアルミなら溶けてる温度。
- ディスクを一旦150℃まで冷やす。ここで終わりですか?
- そして、また時速230キロから急ブレーキをかける。えええ!また!?
- これを5回繰り返す。5回も!!!??
計20回のフルブレーキの中で、最終回も初回と同様の制動力を発揮しているかをテストしている。
(ポルシェジャパンホームページより)
このブレーキテストこそ、業界随一の厳しい試験だ。
普通に乗っている分にはここまで何度もフルブレーキを繰り返すは必要ないだろうに・・・ここまでするか!?と思ってしまうが、妥協はしないのがポルシェ。
どんなに過酷な状況でもポルシェのブレーキは信頼できるのだ。
なお、この試験は一例でほかにも様々な試験を行なっているらしい。
② 第三者調査機関の制動距離試験でもポルシェがトップ
ドイツの有名な自動車雑誌Auto Motor und Sportが行った調査がある。
時速100キロから0キロまで落とすのに、最も短い制動距離で止まれるクルマはどれか?というもの。0-100加速ならぬ、100-0減速ですね
この試験結果がポルシェのブレーキ性能の高さを明らかにしている。
ベスト50にランクインした台数をメーカー別に見てみると、13台のポルシェがトップで、次点は5台で同率2位のアウディ・ランボルギーニ・ロータスだ。
ポルシェがダントツ!すごすぎる!!
第三者の客観的調査でもポルシェのブレーキ性能の高さが証明されていた。
③ 進む力の4倍もの制動力
ポルシェのブレーキ開発で掲げられているのが、
前に進むエンジン出力の4倍近くの制動力をブレーキに与える。
というブレーキストラテジーだ。
スポーツカーのメーカーといえば、びゅんびゅん加速する方にばかり力を入れているかと思いきや、違うらしい。
止まることにここまで大きく力を入れて取り組んでいるのがポルシェなのだ。
そしてブレーキの技術はどんどん新しくなっていく。
アメリカでは2021年にブレーキパッドへの銅の使用が制限されるらしく、ポルシェはこの対応として新しい代替素材を開発したらしい。
常に新しい変化を求められながらも、理想を捨てずに着実に進化し続けている。
時代が移り変ろうとも、ポルシェのブレーキストラテジーは今後も受け継がれていくのだろう。
ポルシェが魅せる真の安全性能とは
一般的な安全性能はポルシェもクリア
日本や海外でも、自動車の安全性のための必須基準として、時速50-60キロで壁に衝突した時、車内の安全性が保たれているかという試験がある。(基準の速度は国によって異なるらしい)
当然、ポルシェもこの基準はクリアしている。ポルシェの剛性の高さは過去の事故現場の写真等でも有名な話だ。
さらに、衝突回避ブレーキというものある。
私はスバルのアイサイトで初めて知った機能だが、前に人がいるとクルマが自動で止まってくれたりする機能。衝突被害軽減制動制御装置というものだ。
この機能もどんどん普及しており、ポルシェの中にも衝突被害軽減ブレーキやクルコンなどの機能が搭載されているモデルが増えてきている。
しかし、ポルシェの本気はそこではない。
真の安全性能の高さはドライバーによって発揮される
ポルシェは業界最高のブレーキ性能を持っている。
スピードが出ていて普通ならぶつかってしまうと思うような状況でも、「ポルシェなら止まれる」ということが起こりうる。
万が一のときは、躊躇なく思いっきりブレーキを踏もう。
踏めば止まれる。
これこそ、スポーツカーメーカーであるポルシェの真髄。
そして、ポルシェがもつ本来の安全性能の高さを発揮するには、ドライバーの知識と技術が不可欠だ。
ドライバーはポルシェを信頼するし、ポルシェもドライバーを信頼している。この関係性があってこそ、ポルシェの真の能力が発揮できるのだなと感じた。
こういうところからも、ポルシェのドライバーに対する敬意が感じられるような気がした。
ポルシェの理念に、またしても脱帽。