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【マカンのグレード】ポルシェに「下位グレード」は存在しない!ベースとSの魅力

現在マカンで発売されているグレードは4種類。

このグレードってどんなクルマなの?という素朴な疑問を解説していく。

ベースグレード S GTS ターボ
価格 7,370,000円 9,010,000円 10,620,000円 12,520,000円
馬力 245ps 354ps 380ps 440ps
0-100km/h加速 6.7秒 5.3秒 4.9秒 4.5秒
最高速度 225km/h 254km/h 261km/h 270km/h

(2020年8月現在の公式情報に基づく)

前回はマカンのターボとGTSのグレードについて比較した。

【マカンのグレード】ターボかGTSか?性能値だけで比較してはいけないポルシェの理念マカンのグレードは現行モデルで4種類。 価格が安い順に、ベースグレード(「素のマカン」とも呼ばれる)、S、GTS、ターボとある。 ...

今回は前回に続いて、ベースグレードSという価格帯としては下の2つのグレードについて比較してみる。

ポルシェきっての低価格帯

マカン(ベースグレード)とマカンSはポルシェの中でも低価格帯。

オプション費用込みで1,000万円以下で新車が買えそう!という、ポルシェにおいては貴重なモデルだ。いやいや十分高いんだけど・・・

価格が安いと「ふん!廉価版でしょ!」と思われがちだが、ポルシェには「廉価」という概念はないということを説明したい。

ベースグレードの魅力はコスパと使い勝手の良さ

営業担当Y氏にどんな人がベースグレードを買うのか、どんな人にベースグレードがお勧めなのかを聞いてみた。

ベースグレードを買う人
  • 予算をできるだけ抑えたい人
  • 下取り売却時の値下がりが気になる人
  • 走りの面では申し分ないので、万人におすすめできる

なるほど。

やっぱり価格が最も安いという点が一番大きなメリットと言えそうだ。

ベースはコスパ最強!

ベースグレードでもポルシェはポルシェだ。

比べてしまえばターボやGTSほどの性能値はないものの、普段使いには十分すぎるほどの実力を持っている。

走り心地も「さすがポルシェ」、妥協はされていない。

その中で、ベースグレードの魅力はやっぱり価格が安いこと安いと言っても本体価格で700万円超えなので十分に高いのだが!

そして、売る時のことを考えても値落ち幅は最も少ないという特徴がある。

マカンベースグレードとマカンSの間には、新車時には約160万円もの差額があるが、下取り時には160万円ほどの差額は付かない。その差は50万円か100万円かは状態によっても異なるので一概には言えない。

しかし、マカンという車種の「底値」があるため、ベースグレードの方が値落ちの幅は少なくなる傾向がある。

また、全グレードの中でも燃費がよく、排気量も少ない。

ベースグレードはまさに、コスパ・環境性能どちらも「最も効率のよい」マカンと言えそうだ。

誰もが使いやすいベースグレード

マカンのカタログに載っているマカンベースグレードの謳い文句には、こんな風に書かれている。

抗うことのできない心高ぶる人生へ駆り立てます。
マカン。
走りだけでなく、趣味を愉しみたい人もいれば、家族や友人との時間を満喫したいという人もいます。マカンは多彩な資質を備えることで人生の様々な要望に応えます。

マカンがポルシェらしい走りはそのままに、多目的に使えるSUVであることを表現している。

ポルシェといえばスポーツカーというイメージを持たれがちだが、マカンはTPOを限定せずに乗れるクルマであることをアピールしている。

初めてポルシェに乗る人にも手が出しやすい、ポルシェの中の「ドアオープナー」的位置付けなのがマカンのベースグレードだ。

“S”に込められたポルシェイズムが深い

Sはどんな人が買うクルマなのだろうか。これもまたポルシェセンターの営業マンY氏に尋ねてみた。

Sを買う人
  • スポーティーな走りが欲しい人
  • GTSの発売まで待てない人

スポーティーな走りというのがSの魅力だが、やはりスポーティーというとGTSのイメージの方が強い。

GTSが発売されるのは、ベースやSが発売されてから1~2年後になるので、新型のGTSは待てないけど、よりスポーティーな新型モデルに乗りたいという人に需要がある。

SはGTSが発売されるまでの「つなぎ」のような認識をしている人も多いらしい。

でも「つなぎ」って・・・、マカンSに乗っている私としてはちょっと悲しい。

“S”こそポルシェの象徴

じゃあ、GTSが出てしまったらSってどうなるの?

ベースグレードほどコスパもよくなく、スポーツ性ではGTSには劣ってしまう。

中途半端なグレードという印象を持たれがちだ。

しかし、ポルシェは”S”というグレードに確かな信念を持っている。

ポルシェのカタログにはこう書かれている。

ポルシェにおける“S”の文字には、ひとつの揺るぎない伝統が貫かれています。

その文字が意味するのは、独自のアイディアによって追求し具現化される卓越したスポーツ性です。

これはどういう意味か。

ここで、911やタイカンの例を見てみよう。

911の発表はSから

ポルシェ本社は、911の最新モデル992型について、2019年1月にカレラS、2019年7月にベースのカレラを発表した。

992型の911カレラでは、ベースグレードよりSが先の発表だったのだ。

その理由は、ポルシェ本社のディレクターが説明している。

「それはSが販売戦略上もっとも重要なモデルだからです。」

日本の販売台数データでは、911はベースグレードの方が売れているらしいが、欧米では911で最も売れるグレードはSらしい。その背景には、高速道路の最高速度などの道路事情が違うこともあるだろうが。

ポルシェはSというグレードを重要視している。

  • 販売台数が多いから。
  • ポルシェのルーツはスポーツカーであり、「スポーツ性」を追求するメーカーだから。

そのため、新モデル発表という世間から最も注目されるタイミングで、真っ先に”S”を投入したのだ。

タイカンの発表もSから

先日発表されたポルシェ初の100%電気自動車タイカン。

発表されたグレードは4S、ターボ、ターボSの3種類だ。

今後、タイカンのベースグレードが発売されるのかどうかはわからないが、まず先にSが発表された。

ハイスペックなターボシリーズだけではなく、同時にSを発表したことからもポルシェがSを推していることが感じられる。

ポルシェがSというグレードに強い理念を込めているのだろう。

“S”こそポルシェの真髄

SはSportsか、Specialか、Spiritか、Smartか、何の頭文字かはわからないが、いろいろな意味が込められているように感じる。

Sは決して中途半端なグレードではない!

Sこそ、ポルシェの中で、コスパもスポーツ性も兼ね備えたバランスのよい最重要モデルと言えるかもしれない。

全てのグレードがすばらしい完成度

ベースとSというグレードはターボやGTSといった上位グレードの廉価版ではない。

それぞれにポルシェの熱い目的が込められている。

どのグレードも、そして作られる1台1台にも、ポルシェは妥協を許していない。

グレード選びは悩ましい。

でも、結果としてどのグレードを選んだとしても、それは完成されたポルシェであり、ほかにはない個性を持っている

結論。グレードはどれでもいい!じゃなくて、どれもいい!!

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