ポルシェとは

解説!なぜ日本のポルシェはアメリカの販売価格より高いのか?

 

日本で買うポルシェは、ドイツやアメリカで買うポルシェよりも高い。

仕様はほぼ同じはずなのに。

 

これはなぜだろう?

日本・アメリカ・ドイツの販売価格

価格を具体的に見てみよう。

各車種のベースグレードで、車両本体価格を日本円に換算して比べてみる。

車種 日本価格 税込 アメリカ価格 税抜 ドイツ価格 税込
911カレラ ¥13,980,000 $99,200.00
(¥10,674,912)
€106.352,00
(¥12,474,026)
718ボクスター ¥7,323,148 $59,600.00
(¥6,413,5566)
€57.531,00
(¥6,747,811)
718ケイマン ¥6,925,926 $57,500.00
(¥6,187,575)
€55.508,00
(¥6,510,533)
マカン ¥7,119,444 $50,900.00
(¥5,477,349)
€59.792,00
(¥7,013,004)
カイエン ¥10,307,407 $66,800.00
(¥7,188,348)
€76.690,00
(¥8,994,970)
パナメーラ ¥12,324,074 $87,200.00
(¥9,383,592)
€97.753,00
(¥11,465,449)
タイカン(4S) 未定 $103,800.00
(¥11,169,918)
€105.607,00
(¥12,386,645)

*円換算は2020年5月23日現在のレート(1ドル=107.61円 1ユーロ=117.29円)

 

 

やはり、日本で買うのが最も高い。

ドイツとアメリカで、ドイツの方が高くなっているのが気になるが税金の兼ね合いもあるように思う。アメリカは州によって税率が異なるので価格は税抜表示だが、ドイツは消費税がなんと19%!!

それにしても日本とアメリカの価格差が大きい。

マカンが500万円台というのも、なんともうらやましく感じる。

あと気がついたのは、日本とアメリカの差と言っても、車種によって異なること。
911やマカンは日本の方が3割も高いのに、ケイマンやボクスターは1割強の価格差だ。日本の価格には消費税10%分が含まれているので、税抜同士にしたら大差ない。

価格設定は一律の比率で行われているのではなく、国ごと、車種ごとに個別に計算されているようだ。

では、なぜ日本で買うと高いのか、考えてみる。

なぜ日本で買うと高いのか?

日本で買うと高い理由を挙げてみよう。

関税はゼロ

輸入車といういうと「関税」が高そうに感じるが、日本では自動車に関しては関税が撤廃されている。つまり関税としての税金はかかっていない。

一方、アメリカでは2.5%の関税がある。

関税という点では日本の方が有利だ。

輸送費用が高い

クルマは基本的に船舶輸送だ。

日本で売られるポルシェはどれも、ドイツからはるばる海の上を旅して届けられる。

ドイツの港を出て、日本の愛知県豊橋市にある三河港に届けられる。

輸送にはだいたい1~2ヶ月くらいはかかるらしい。

輸送費用は個人でやった場合で50万円程度~の見積もりらしい。ポルシェのように大口取引になれば単価は変わるかもしれないが、何十万というコストがかかっているのは確実だ。

アメリカもドイツと陸続きではないので船での輸送をしていると思われるが、距離はドイツ〜日本間よりドイツ〜アメリカ間の方が近く、航路もシンプルだ。

手続きや検査もある

豊橋に届いたポルシェは、通関手続きや適合検査を受ける。

1台1台、日本の法律に則した仕様になっているか検査を受ける。ここでも費用は20~40万円程度かかる。

それから、国内の陸送を経て各地のポルシェセンターに納車されていく。

為替変動へのリスクヘッジ

海外で物を売る場合、重要なのが為替だ。

為替は日々動く。円とユーロとドル。相互に動き続ける。

同じ日本円で売ったとしても、円安が進むと本国のドイツにユーロ換算で計上される売上は下がってしまう。

きっと、価格設定の際には、為替変動に対するリスクも踏まえて多少余裕を持った価格にしているだろう。

いやいや、輸送コストも為替変動も、日本だけじゃなくアメリカも同じでしょう?

アメリカの方が輸送距離が短いとはいえ、同じ船輸送だし。

なのにアメリカより日本の方が価格が高いのはなぜなの?とお思いの方、

日本とアメリカで圧倒的にちがうものがあるのだ。

販売台数が圧倒的にちがう

2019年のポルシェ販売台数を比べてみよう。

日本は全国で7,192台
(Car Watch ニュースより https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1228286.html

一方、アメリカは年間で61,568台!!も売り上げたという。
(Porsche North America Pressより https://press.porsche.com/prod/presse_pag/PressResources.nsf/jumppage/unternehmen-pcna-sales?OpenDocument

まさに桁違い。

アメリカってそんなにポルシェが売れてるんだ!!と私も驚いた。

やはり多く売れる国の方が、大量生産、大口配送が可能になり、安くできるということなのだと考える。

販売台数に10倍近くも差があったらそりゃ価格差が生まれてもしょうがないと、納得。

日本との価格差から思うに、ボクスター/ケイマンよりも911がよく売れるんだろうな。なんて推察してみる。

(この推察は後日検証して記事にします)

ポルシェの価格はどう変わる?

このように各種費用や販売台数の計算を経て、日本での販売価格が決められていると見られる。

今後、日本におけるポルシェの販売価格はどう変わるのだろうか?

アメリカとの差は開くのか。

この記事を書いていて、日本での販売台数が1万台、2万台ともっともっと増えたら、日本のポルシェの販売価格も下がって行ったりするかもー!?ほら、日本の販売台数10年連続伸びてるしね!と淡い期待を抱いている。(笑)

いや、そんな単純な話ではないだろう。

それよりむしろ早くコスト上昇/物価上昇による値上げの方が可能性は高いかもしれない!?

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